東京で生まれ、千葉で育ち、結婚するまで関東で暮らしていた私。
結婚を機に愛知県豊田市へ引っ越してきました。
同じ日本なのに、暮らし始めてみると、言葉の違いに驚くことがたくさんありました。
テレビでよく耳にするような、わかりやすい方言だけではありません。
関東でも普通に使っている言葉なのに、意味が違うもの。初めて聞いたのに、音だけで意味がわかるもの。そして、言っていることは理解できるのに、どうしても違和感が残るもの。
豊田市で暮らしてきた私が、特に印象に残っている愛知の言葉を5つ紹介します。

1. 「大事」(だいじ)って「大切」という意味じゃないの?
最初に驚いたのは「大事」(だいじ)という言葉です。
関東で「大事」(だいじ)といえば、私がまず思い浮かべるのは「大切」という意味。
「家族を大事にする」「大事なものをなくした」といった使い方です。
ところが、豊田市で暮らすようになってから、「大変」という意味で「大事」を使う言い方に出会いました。
「それは大事だったね」
という言葉も、状況によっては「それは大変だったね」という意味になるのです。
もちろん、関東でも「大事(おおごと)」という言い方はあります。でも、日常会話で「大事」を「大変」という感覚で使うのは、私には新鮮でした。
知らない単語ではないだけに、最初は少し不思議な気持ちに。
方言というと、聞いたことのない言葉を想像していましたが、同じ言葉でも地域によって意味の受け取り方が違うというのは、面白い発見でした。
2. 「とっきんとっきん」って、ものすごく尖っていそう!
「とっきんとっきん」
初めて聞いたとき、何のことかすぐに想像できました。
鉛筆の先などが、鋭く尖っている状態を表す言葉です。
「この鉛筆、とっきんとっきんだね」
と聞けば、まるで削りたての鉛筆が目に浮かぶよう。
関東で暮らしていたころは、私は普通に「尖っている」と言っていました。
でも「とっきんとっきん」のほうが、なんだか尖り具合がよく伝わる気がします。
音を聞いただけで、状態がイメージできる。
子どもにも伝わりやすい、面白い表現だと思いました。
3. 「シャビシャビ」も、聞いた瞬間に意味がわかった
もう一つ、音から意味が想像できたのが「シャビシャビ」。
水分が多くて、薄くなっているような状態を表す言葉です。
例えば、
「このカレー、シャビシャビだね」
といった使い方。
関東では「水っぽい」「シャバシャバしている」と言うことが多かった私ですが、「シャビシャビ」も初めて聞いた瞬間に、なんとなく意味がわかりました。
音の響きから、水分が多くてさらさらしている感じが伝わってきます。
実際に「シャビシャビ」は、愛知県や岐阜県などで使われる表現として、方言研究でも紹介されています。方言なのに、初めて聞いた気がしない。
こういう言葉は、関東出身の私でもすんなり受け入れられました。
4. 「おいでん」は、なんだか可愛い!
豊田市で暮らしていると、よく目にする「おいでん」という言葉。
「おいでん」は「おいで」「来てね」という意味で使われる三河地方の言葉です。
豊田市には「豊田おいでんまつり」という大きなお祭りもあります。
私は、この「おいでん」という言葉の響きが好きです。
「おいで」でも「いらっしゃい」でもなく、「おいでん」。
なんだか柔らかくて、親しみやすくて、可愛らしい。

街の名前と一緒に使われる「豊田においでん」という言葉にも、温かさを感じます。
方言には、その地域の人たちの親しみやすさが表れているのかもしれません。
5. 「おぼわる」は意味がわかるのに、どうしても違和感がある
そして、私が特に印象に残っているのが「おぼわる」という言葉です。
豊田市に来て初めて聞きました。
例えば、
「なかなかおぼわらない」
「もうおぼわった?」
という言い方。

意味はすぐにわかりました。
関東で私が使っていた「覚えられない」「覚えた?」という意味です。
愛知県などで使われる「おぼわる」には、覚えることができる、知識や技術が身につくといった意味があります。
でも、これだけは初めて聞いたとき、かなり違和感がありました。
私の中では「覚える」が当たり前だったので、「おぼわる」という活用がどうにも不思議に聞こえたのです。
「おぼわらない」と言われると、「覚えられない、じゃないの?」と、頭の中で変換してしまう。
「とっきんとっきん」や「シャビシャビ」は聞いてすぐにしっくりきたのに、「おぼわる」は意味がわかっても、なかなか自分の言葉にはならない。
方言の受け入れやすさって、こんなにも違うものなのですね。
子どもたちにとっては、豊田市の言葉が当たり前
関東で育った私にとって、愛知の方言は今でも新鮮に感じることがあります。
でも、豊田市で育つ子どもたちにとっては、周りの友達や先生が使っている言葉こそが、いつもの日本語です。
私が違和感を覚える表現も、子どもたちにはごく自然な言葉なのかもしれません。
親子で同じ地域に暮らしていても、育った場所が違えば、言葉に対する感覚も違う。
これは、県外から豊田市に引っ越してきたからこそ気づいた面白さの一つだと思います。
ちなみに、愛知県内でも名古屋を中心とする尾張地方と、豊田市を含む三河地方では、言葉の使い方に違いがあります。また、同じ地域でも世代によって使う方言は変わってきているようです。愛知県公式サイト+1
住んでみないとわからない、地域の言葉の面白さ
豊田市に暮らすようになって、気づけば私自身もこの地域の言葉を耳にすることが当たり前になりました。
言葉の意味が違って驚いたり、響きが可愛くて好きになったり、何年たっても自分では使わない言葉があったり。
どれも、関東から引っ越してきた私にとっては、豊田市で暮らす中で見つけた小さな発見です。今では、千葉から母が来ると「ん??どういう意味?」や「イントネーション、変わったね。」と言われることもあります。
皆さんは、他の地域から来た人に通じなくて驚いた地元の言葉はありますか?
